都市国家の時代

いつの時代にも坂本龍馬は存在したはずである。ただ時代が彼を必要としたかどうかだ。黒船が来て、開国か否かという幕末の時代背景が、彼を要求したのである。

1990年代の光通信技術の大幅な技術革新が、ブロードバンド時代を導いた。2000年になって最初の10年間で、YouTube とか Facebook とか、Gmail とか、iTunes とか、21世紀社会のインフラとなるべきサービスのプロトタイプが出現した。 

この変化は、黒船に匹敵するのだと思う。幕末では国家としての変化が求められた。明治政府は国際レベルに追いつくために富国強兵を推し進め、この対応に成功した。先日まで鎖国していた国が、ロシアに勝ったのである。

現在の情報化は、個人と都市に変化を求めているのだと思う。 世界に友人をつくったり、国際レベルで通用する基礎学力を身につけたり、都市の魅力を世界に売り込んだりする事が求められているのである。 橋下知事の「ワン大阪構想」も、本質はそういう事だと思う。
http://www.ustream.tv/recorded/10174573

まず金融が国際化し、資金が海外に流れ出した。次に企業が国際化し、雇用が海外に流れ出した。次に人材が海外に流れ出す番なのだけど、この部分はあまり進んでいない。結果、国内の雇用情勢は悲惨な状況に陥っているのである。
http://www.youtube.com/watch?v=Ppi7KJsSnnE&feature=player_embedded

これに対応するには、個人としては海外でもやっていける能力を培うしかないし、都市としては、海外から資金や雇用を呼び込むべく、その魅力を高める努力をするしかないのである。

ブログやHPが埋もれていた個人を解放したように、情報化の進展は、都市を世界に向けて解放するものだと思う。それぞれの都市は個性を明確にし、都市間の協調や競争をもたらす。海外との交易関係が繁栄の基礎となる状況は、イタリアの都市国家と似ている。