宗教は日本を救うか2?
資本主義の行き詰まりを、宗教でもって解決する可能性について指摘したが、既にそのような考察が為されていた事がわかった。今から70年も前、戦前の話である。
http://www.kagakucafe.org/kagawa.pdf
http://d.hatena.ne.jp/kagakucafe/20090102/1230854335
「友愛の政治経済学」と題された論文の著者は、賀川豊彦氏、神戸に最初の生協を創設した人物らしい。見た目は普通のオジサンであるが、スラム街で生活したり、アメリカに留学したり、総理大臣になりかけたり、ノーベル賞をもらいかけたりした人物らしい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/賀川豊彦
http://zaidan.unchusha.com/
http://en.wikipedia.org/wiki/Toyohiko_Kagawa
賀川氏の論文を読むと、驚くほど現在の状況に似ている。富は一部の人間に集中し、町には失業者が溢れ、若い世代は将来に希望が持てず、蟹工船など読んでいる。このままの状態が続くと、政権交代どころか、革命でも起きかねない。
賀川氏は、資本主義でも共産主義でもない、第三の道として、「友愛に基づく協同組合」を提唱している。 以前、会社は誰のものか? という議論があったが、資本主義では株主のもの、共産主義では労働者のもの、協同組合では消費者のもの、と言える。
資本主義では、一部の人間に富が集中し、共産主義では、非効率な企業が温存される。結局、消費者が少しづつオカネを出し合って所有する生協方式が正解ではないか? 賀川氏は、生産、販売、運輸、金融、共済、公益などに組合方式を導入する事を提案している。さらには、電力、道路等のインフラ整備や、国家、国際社会にまで適用する事を考え、世界連邦にも関わった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/世界連邦運動
http://www.wfm-igp.org/site/
科学カフェでも、毎回、熱心に参加される方が居られるが、その活動が、資本家(産業界)のためでなく、労働者(研究者)のためでもなく、消費者(市民)の方を向いているからであろう。コミュニティービジネスとか、社会企業家も、突き詰めれば、協同組合に行き着くのではないだろうか?