雪国の春

人間というものは、どうしても自分の経験や周囲の環境を基準に考えてしまいがちである。 例えば冬という季節も、太平洋側と日本海側では全く別の季節と言って良いと思う。

長浜に来て一ヶ月が経過したが、雪が消えないのには驚いた。融解熱があるので、零度近傍で、水と氷の間を行ったり来たりしているのである。太陽もタマにしか顔を出さない。 昨日は米原から新幹線に乗って東京に出張したが、降り注ぐ太陽が眩しくて、春が来たのか? と思う程であった。

昨年末にこちらに来て最初に言われたのが、スノータイヤに履き替えなさいという事であった。普通タイヤでは高速を走れなかっったり、事故を起こすと追加のペナルティーを課せられるのである。

駐車する時は、ワイパーを立てて、バックミラーも閉じてはイケナイ。凍り付いて動かなくなるからである。 車にに乗る時は、まずハンドワイパー(ブラシ)で、窓につもった雪や氷を掻き落とさなければならない。天井の雪も落としておかなければ、走行中にフロントガラスに落ちてきて、前方の視界を遮るので危険である。

言い忘れたが、車は必需品である。コレがないと、通勤も買い物もできない。土地は広いので、駐車場はタダである。 雪が降ると、道路や駐車場のあちこちから融雪用の水が出ているのを見ることができる。雪と共存した町作りになっているのである。

自宅の最寄り駅は、北陸本線河毛駅であるが、無人駅である。駅まで車で行って、駅前の広場に駐車して、電車に乗り込むのである。 河毛駅は「江姫」の故郷、小谷城の最寄り駅でもある。あんな山の上で生活していたなんて信じられない。昔の日本人はどのように寒さを乗り切ったのであろうか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E6%AF%9B%E9%A7%85
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E8%B0%B7%E5%9F%8E
http://www9.nhk.or.jp/go/

自宅前は車輪が空回りするので、「雪かき」をする必要がある。道具も専用スコップから、ママさんダンプ、電動式まで各種工夫されている。 Amazon でも入手可能である。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00144SF9O/
http://www.amazon.co.jp/dp/B001J2XGAY/
http://www.youtube.com/watch?v=k03KZ27TPSY

これらは雪国の人々にとっては常識であろうが、大阪でも和歌山に近い所で育った私には、初めて知るものであった。雪国の人々は、「根雪」が消えて太陽が燦々とふりそそぐ春が来るのを、じっと待っているのである。東京には「本当の空」がないというが、雪国の春こそが、「本当の春」だと思う。
http://www.youtube.com/watch?v=RyRBN48OWzs