タイタニック
タイタニックは、もちろん究極の愛の形を描いた映画であるけれど、技術者への戒めを説いた映画でもある。技術者に求められる特質は「謙虚さ」である。
http://www.youtube.com/watch?v=yd1uEvyzCmM&feature=related
湯川秀樹博士の講義は学生には評判が良くなかったらしい。小さな声でぼそぼそ話したとか、「わからん、わからん」と呟きながら、黒板の前を行ったり来たりしていたとか。
永田和宏氏によると、湯川先生が卒業時に色紙に書かれた詩は、
「潮さゐのわたつみの底はかりかねまたあまたたび吐息するかも」
アインシュタインも似たような言葉を残している。
「Subtle is the LORD. (神は老獪にして)」
http://www.amazon.co.jp/dp/4782800355
教科書は様々な理論や難しい数式で一杯であるし、ノーベル賞学者ともなると、自然の根本原理を理解していると思われがちである。子供から見ると、オトナは何でも知っているように見える。
http://hccweb1.bai.ne.jp/kakinoki/epi/tv/link2/fatherknows.html
しかし年齢を重ねるほどに、我々人間は、ごく限られた領域を理解したに過ぎない、本質的な事は何もわかっていないことが認識されてくるのである。分子の集合体に生命や意識が宿るしくみとか、小さな虫一匹、我々は設計する事は出来ない。
民主党の代表選が行われているが、社会や経済についても、本質は理解されていないのであろう。資本主義の欠陥などは教科書には書かれていない。どうして日本の自殺率は高いのか? 膨大な借金が膨らむ仕組みは?、それが将来どのようなリスクをもたらすのか? 等等、本質的な議論はなされていない。
http://www.relfe.com/plus_5_japanese.pdf
技術者は、知識を動員して様々なチャレンジを行う。自然や社会を自らの手の下にコントロールしようとする。神はそのような傲慢さを、悲劇でもって戒められる。タイタニック然り、チェルノブイリ然り、サブプライムショック然り、これからも、まだまだ続くだろう。
それ故、政治家や技術者は、謙虚でなければならない。
「技術」とは神との対話であり、技術者に求められるのは謙虚さである。
http://www.youtube.com/watch?v=yPLcZ5Rk3Lg&feature=related
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=6OGyaFfPCDk