MBA雑感

昨年末から京大の経営管理大学院(MBA)で、アルバイトというか非常勤研究員をしているのだけど、MBAというのは、今後の大学教育において可能性があるように思う。
http://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/jp/

第一に、MBAというのは、何を教えるか決まっていないようである。ビジネスに役立ちそうな事であれば、会計であろうと、ITであろうと、法律であろうと、経営思想であろうと、サイエンスであろうと何でも良い。幅広いメニューから選択する自由がある。石田梅岩らによる江戸時代の私塾もビジネススクールの一種と言える。要は実学である。
http://www.joho-kyoto.or.jp/~retail/akinai/senjin/ishida.html

第二に、米国のMBAに顕著であるが、卒業生のネットワークが発達している。ビジネスの世界でも学者の世界でも、最後にものを言うのは、人脈というかコネである。Executive Educationなんていうクラスを作って、企業との関係を強化している。米国ではブランド戦略に成功しており高額な学費設定となっている。
http://www.businessweek.com/bschools/rankings/
http://www.eduniversal.com/business-school-ranking/country/united-states-of-america/223

日本のMBAランキングもいくつか発表されているが、働きながら参加できる首都圏の夜間大学院の人気が高いようである。京都はベンチャー企業の土地柄であるから、「文理融合型」を売りにしている。
http://www.mbajapan.org/60mba/
http://www.eduniversal.com/business-school-ranking/country/japan/108

ソフトバンク等により設立されたサイバー大学も、通信教育というか、ネットベースであるが、「IT総合学部」というのは、ITビジネスを対象にしたビジネススクールに近いと思う。要は講師に誰を呼んでくるか?という話である。
http://www.cyber-u.ac.jp/
http://www.cyber-u.ac.jp/campus/procedures/experience.html

数百科目から、先生や講義内容を選択できれば楽しいとは思うが、カルチャースクールと似て来るかも知れない。科学カフェも、ネットベースの科学教育に発展できないか?と思っている。
http://ameblo.jp/kagaku/

従来、大学は、大学側のサービス内容でなく、学生側の偏差値で評価される傾向にあったが、MBAでは前者で評価されている。日経キャリアマガジンの評価では、以下の項目を採用している。

MBAランキング評価項目
1)授業内容が多岐に渡っている
2)実践的な授業が多い
3)講師と密接なコミュニケーションが取れる
4)講師陣が充実している
5)学生の水準が高い
6)学費が適正である
7)転職活動の有効な情報を提供している
8)人脈作りがしやすい
9)施設が充実している
10)事務局の対応が良い