ネットに残る仕事
建設会社のキャッチコピーで、「地図に残る仕事」というのがあったが、現在、目標としているのは、「ネットに残る仕事」である。
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昔、電力会社に入って、最初の仕事は「配電」であった。配電というのは、電力系統のラスト1マイルに相当する部分であり、具体的には、街角の電柱を建設、保守する部門である。
この時、先輩から叩き込まれたのは、「設備をより良くして後輩に引き継げ」という事であった。より良い設備(強度的、美観的)を志向するのは、何よりも自分たちの為であった。貧弱な設備は、供給支障事故や、各種トラブルとなって、結局、自分の身に降りかかってくるのである。
会社からのコストダウンの圧力に屈して、貧弱な設備を指示した上司は、蔭でボロクソに言われていたものである。彼ら設計者のプライドが、世界一の供給信頼度を支えている事は間違いない。彼らは文字通り仕事に生き、社長の名前も覚えていなかったりした。
で、何が言いたいのかというと、私は当時の印象が強烈であったので、「より良いものを未来に残す」、という設備産業的発想から抜けられない。現在、科学カフェ京都で、講演ビデオを収集、配信しているのも、その一環である。
http://ameblo.jp/kagaku/
起業相談などでビジネスプランをもっていくと、「誰に何を売って、幾ら儲かるんですか?」とか追求される訳であるが、たとえ破産して出資者にご迷惑をお掛けする事になったとしても、未来に何か残せれば良いじゃないですか? とか思ってしまう訳である。
ブロードバンド時代である事を考えれば、結局、「ネットに残る仕事」を心がける事になる。