社会の2相(3)

聖書を読んでいて驚くのは、旧約聖書と新約聖書のギャップである。新約聖書では、キリストは「汝の敵を愛せよ」と説くのに対し、旧約では、神に従って敵を滅ぼす話が頻繁に出てくる。これはキリスト教の二面性を示すものであろう。日本社会にも、相対的価値…

社会の2相(2)

1990年代に社会主義の崩壊が見られたが、それでもって、資本主義の勝利という訳ではないだろう。社会の状況によって、それに適応する社会システムは変わってくる訳である。システムトレードを調べていると判るが、どんな相場状況にも通用するオールマイ…

社会の2相(1)

今回の参議院選挙は、インターネットは解禁されなかったが、それでもネットの利用は大幅に進んだものであった。争点は、日本の借金をどうするのか? という事であったと思う。20代とか若い世代は、借金をまじめに返済しようと考えるので、自民党の支持率が…

やはり神様は必要だ

こんな事を言うと叱られるのかも知れないが、やはり「神様」の概念を導入した方が、うまく行く場合が多いと思う。 モントレーでやってるらしいTEDの講演には、面白いものが多い。ベストセラー作家の Elizabeth Gilbert の講演も印象的である。彼女は、「…

情報社会の残されたテーマ

物品購入とか、マスメディアとか、この10年でかなり情報社会が進展し、便利になってきたが、残された分野について検討しておく必要があるだろう。 連休は、ABCテレビで「Thin Ice」を観ていた。荒川静香が、Stephane Lambiel と組んで出ていたからである。…

資本主義の成立条件

資本主義は、リスクを分散させて投資するシステムであるが、経済縮小期においても本当に機能するのか? ハッキリさせる必要があるだろう。 期待値がプラスで無ければ投資してはいけない、というのは投資の鉄則である。昔(約10年前)、国際会議でアムステ…

ビルゲイツと原子力

ビルゲイツが次世代原子炉の開発に乗り出すという。60年間連続運転可能な10万キロワット級原子炉を東芝と共同開発し、世界に普及させる構想のようである。年齢的にも人生を賭けた最後の挑戦になるだろう。 http://www.nikkei.com/news/headline/article/…

MBA雑感

昨年末から京大の経営管理大学院(MBA)で、アルバイトというか非常勤研究員をしているのだけど、MBAというのは、今後の大学教育において可能性があるように思う。 http://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/jp/ 第一に、MBAというのは、何を教えるか決まって…

謹賀新年

人生も折り返し点を過ぎ、やるべき仕事をキチンと成し遂げたいと思います。 本年も宜しくお願い致します。

ネットに残る仕事

建設会社のキャッチコピーで、「地図に残る仕事」というのがあったが、現在、目標としているのは、「ネットに残る仕事」である。 http://librarytaisei.jp/works/ 昔、電力会社に入って、最初の仕事は「配電」であった。配電というのは、電力系統のラスト1マ…

資本主義の本質

資本主義の本質は、成長点に人材や、資金を集中させる事である。逆に成長点から外れれば、衰退が加速する。東京一極集中が進み、地方が衰退したのは、人材が東京に流れた事もあるが、地方の預貯金が、その地方では運用されず、すべて東京で投資されたからで…

自然はなぜ美しいのか?

「自然がなぜ美しいのか?」 と問われれば、生き残ったからだ、というのが答えだと思う。つまり、その背後には、消滅した生命が多量に存在しているはずだ。先日、動物行動学の日高敏隆先生が亡くなられたが、動物行動学や、生態学は、現時点における生命の形…

日本は法治社会か?

「法治社会」で言う所の「法」は、社会全体で共有している倫理規範、原則のようなもので、宗教的背景を持つものだと思う。 日本はどちらかというと「人治社会」である所に問題がある。 「日本が法治社会でない」、と最初に言ったのは、日本国憲法を翻訳した…

教育のオープンソース化

MITのOCWなど、無料の教材が増えてきているが、今後の教育のキーワードが「オープンソース」であることは間違いないと思う。 グーグルは、現在、世界で50万台を越えるサーバを運用しており、100億ページを越えるWEBサイトの検索を可能としているらしい…

テニスの愉しみ2

10/1に、東京までテニスを観に行った。杉山愛とシャラポワが目的であった。試合は面白かったが、その周辺で、いくつか気付いた事もあった。 プロのテニスを見ていて、ボールを使った格闘技という印象を強くした。シャラポワの試合など、声だけ聴いている…

究極の研究者と情報技術の役割

作家とか、音楽家とか、芸術家の創造力の源泉が、子供の頃の想い出だったりするように、究極の研究者の行動原理は、子供の頃の夢だったりするのだと思う。アインシュタインの相対性理論は、子供の頃に持っていた疑問、「光の速さで走りながら、光を見たらど…

テニスの愉しみ

ここ3ヶ月ほど、テニススクールに週一で通っている。昔から一度やりたかったのであるが、切っ掛けが無かった。今やらなければ、一生やる機会が無いと思い、始める事にした。もちろん初心者コースで、先生は大学生である。案外面白く、もっと早くやれば良か…

理論とシミュレーションの関係

理論とシミュレーションの関係であるが、シミュレーションでないと扱えない領域というのが確かに存在すると思う。1.方程式駆動型シミュレーション 基礎方程式が確立しているが、非線形とか、多体問題とか、複雑過ぎて人間では計算できない場合である。天体…

科学の階層性

前回の科学カフェは、伊谷原一先生によるボノボの生態で面白かった。科学の中で、霊長類学は、めずらしく日本が進んでいて、その背景に宗教的理由があるらしい。 http://ameblo.jp/kagaku/キリスト教文化圏では、人間は万物の霊長という事になっていて、人間…

宗教の一般化

価値判断や、行動基準を与えるものを「宗教」と呼ぶならば、現代社会は宗教に満ちていて、それらはしばしば排他的で、既得権拡大に奔走しているように見える。振り返れば人生において、入学とか、就職、転居というのは、「宗教」を選択する行為であった。 学…

シンガーソングライター

音楽家に演奏家とシンガーソングライターが居るように、研究者の世界にもあって良いはずだと思う。シンガーソングライターの目的は、「自分の芸術」を創り出す事にある。研究者の世界にも、社会的な問題意識や、「自分の研究」へのコダワリが極めて強く、既…

JR尼崎事故

今日、4月25日は尾崎豊の命日であるが、JR尼崎事故の日でもある。尾崎と尼崎って似てる気もするが、多分、偶然だろう。 http://ja.wikipedia.org/wiki/JR福知山線脱線事故1995年8月から、尼崎市にある研究所に異動になり、当時住んでいた交野市から…

永井荷風とその孫

先日、偶然にも永井荷風の孫である、二代目、藤蔭静枝氏のお話を聴く機会があった。 http://www.kagakucafe.org/fujikage090407.wmv この方の祖母は、日本舞踊の舞踏家で文化功労者でもある初代 藤蔭静枝氏である。藤蔭氏は若いころ、新橋の芸妓「八重次」と…

科学と宗教の関係

「科学は21世紀の宗教になり得るか?」 というのが、ここ数年考えていた事であるが、やはり無理なんじゃないかと思う。 人々が科学カフェにやって来る理由として、「科学者の話から、自らの存在を再確認する事、丁度、人々が教会で神の前に自らを再確認す…

太陽の破片

我々の世代の人間で、200年後も名前が残っていそうなのは、尾崎豊である。尾崎の音楽は、宗教音楽といって良いほど、宗教的である。 http://ja.wikipedia.org/wiki/尾崎豊ルックス、音楽的才能、社会的洞察力、26歳の死、それぞれ1%くらいの確率の事…

宗教は日本を救うか2?

資本主義の行き詰まりを、宗教でもって解決する可能性について指摘したが、既にそのような考察が為されていた事がわかった。今から70年も前、戦前の話である。 http://www.kagakucafe.org/kagawa.pdf http://d.hatena.ne.jp/kagakucafe/20090102/123085433…

黒部の太陽

「黒部の太陽」と言えば、故石原裕次郎の映画が思い起こされるが、今回、ドラマ化されるらしい。 http://wwwz.fujitv.co.jp/kurobe/index.html http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2008/08-258.html 「スターを貸さない、借りない、引き抜かない」とい…

宗教は日本を救うか?

日本社会がうまく機能しなくなってきた理由の一つに、宗教を捨てたことがあるのではないだろうか? 「宗教」は苦しんでいる人を救うためにあった。現代の宗教は、既得権集団に落ちぶれている面が強いが、元々は、人間救済の実行部隊であった。 人々の苦しみ…

今年の抱負

正月には、今年の抱負を考えて、それを書き残しておくのが日本人の習慣であると思うので、私もそれにならって書いてみたい。 昨年は、個人的には、キリスト教について勉強したり、経済物理学について考えたりしていたのであるが、成果としては、NPO関係が…

資本主義2.0とトレーダーの役割

エコノミストの水野和夫氏と、宗教学者の島田裕巳氏による、「資本主義2.0」は、「Web2.0」 に劣らず、重要な視点を提供していると思う。 http://www.amazon.co.jp/dp/4062147165/ 水野氏が指摘するのは、1995年に世界は変わったという事であり、…